翼~開け放たれたドア~

「私は…」

“お前は黙って私の言うことを聞いていればいいんだ”

そう、ニタリと笑うあの人は、今どこにいるんだろう?

「wingが、好き」

「は…?」

「wingはね、wingでいられる時が一番自分でいられるの。
だけど、wingをやるきっかけは、命令だから。
パーカーの背中の模様、知ってるでしょ?
wingは、命令された人から逃げられないっていうのと、罪を背負っているっていう証。
今は命令されないで自分の意志で動いているけど、結局はとらわれたまま。
それでも、自分でいられるから」

だから…私は続けているんだ。

それだけじゃないけど。

「……ま、わからないだろうけど。
1つ、忠告しておくよ」

今まで出していた声よりもグンと声を低くした。

「噂だけが真実とは限らない」