翼~開け放たれたドア~

「お前ら、さっきから薬くさくてたまんねぇよ」

こんな小さい奴が、それも片手で鉄パイプを受け止められるなんてこと。

鉄パイプを掴んだまま力を込めて引き寄せる。

ぐらついた男の下に入り込み、鳩尾を殴った。

「ぐあっ……!!」

顔を歪ませたかと思うとそのまま倒れ込み、動かなくなった。

それを見ていた下っ端たちを見渡す。

すると、ざわつきが大きくなった。

──…あのパーカーの背中の模様…!?

──…白い翼に鎖が巻きついて…ってまさか!!?

──…こいつ、まさか“wing”なんじゃ…

好奇、興奮、異様。

そんな感情の込められた目。

でも、今は気にならないと言ったら嘘になるけど、大丈夫だ。

今は“俺”であって、wingだから。