翼~開け放たれたドア~

「…ここか」

大きな建物が目に入った。

王覇のよりやっぱり小さいな、なんて考えてしまう私は、ほんとにどうしたんだろう。

隅のほうへバイクを止める。

そして、頭に手をかけると、グッと力を込める。

とれたのは黒髪のウィッグ。

あらわれたのは汚れた白。

あぁ……、やっぱり私は闇(ここ)にいるしかないんだ。

そっとカラコンをとると、そのまま地面に落として踏みつけた。

パリンと音がした。

割れた破片が、なんだか私の心に突き刺さった気がしたけど、胸をギュッと握りしめ気づかないふりをした。

フードを深くかぶり、出来上がる。

“私”の、完成だ。