目を瞑れば脳裏に映るのは、あの人の姿。

ニタァ…と笑うあの人。

あぁ…やっぱり。私は逃れられない。

今も…昔も…。

過去は変えられない。

そんなことわかっているのに、それでも…。

時々無性に苦しくなって、息ができなくなるんだ。

「終わりだ。戻るぞ」

空夜の一言で私も歩き出す。

無意識のうちに手を握りしめる。

それを空夜が見ていたなんて、気づきもしなかった。