「他に反対のやつはいるか?」

空夜の声に、互いに顔を見合わせ、笑いあった人たちは、

「「「いません!!!」」」

大きな声で返事をした。

近くにいた私はビクリとして、走って5人のもとへと行った。

カンカンカンと階段を駆け上がり、目にはいった直の背中に隠れる。

「春輝、よく頑張ったね」

走ったせいでとれたフードを私に被せつつ、声をかけてくれた。




空夜は私を黙って見ていたけど、下のほうへと目を向け、

「今から春輝はここの姫……“王姫オウヒメ”だ」

ゴクリと誰かが唾を飲み込んだ音がした。

それくらいに静まり返った倉庫に、

「いいか、お前ら!命に代えても守り抜け!!!」

「「「うおおぉぉぉぉおおお!!!!!」」」

空夜の威厳ある大声と、下っ端たちのうなり声が響き渡った。

ビリビリと空気が振動して、身体の底がゾワッとした。