「ありがと…」 「でも、俺は沙羅に弾いてほしくねぇからな。本当に手が動かなくなったら後悔するのは沙羅だからな。」 和也の言うことはすごくわかる。 「うん。わかった。でも…」 「でも、沙羅が弾きたくて弾きたくてたまんねぇときは一緒に病院行って先生に聞いてからな。」 あたしの言葉に被せて和也がいった。 諦めたって何回人に言ってもやっぱり諦めきれない自分がいる。 そんな気持ちを和也はちゃんとわかってくれてたんだね。