「だから、あたし、もう…ピアノ本当に止める。…………ッ…」 「もう、いいよ。話さなくて…わかったから。沙羅の気持ちも沙羅がどれだけピアノが好きなのかも。」 ありがと… そのたった四文字すらでてこないくらいただ泣き続けた。 「沙羅は、すごいよ。人の気持ちちゃんと考えて、音がズレてること苦しかっただろ?泣いていいから。俺がちゃんと泣いてる沙羅を見ててやるから。」 「ん?…泣き顔不細工だよっ…ッ」 「ははっ…元気出てきたか?」 和也なりの優しさなんだよね… あたし、和也に出会えてよかった。