和也はあたしの手を握ってくれた。
安心したんだ。
「ピアノを弾きはじめてやっぱり音がズレてて、耐えながら弾き続けてた…そしたら急にね、ッ…手がっ……手が止まったの。昨日みたいに震えてた…」
沈黙がすこしつづいた
「それからコンクールにもう一度出ても同じように手がとまって、結果はぼろぼろ…。病院行ってみてもらったら成長と共に腕と指の筋肉が均等に成長できてなく、痙攣を起こすんだっていわれた…。ッ…」
「先生に、ピアノは諦めてって言われた…。………ッ…あたしからピアノ取ったら何が残るのかわかんなかった…ッ…聞いたらお母さんも同じ原因でピアニストを引退したって聞いた。…恨んだ…ッ…憎んだ…でも、どうしようもなくて…っ」
どうしようもなかった…
あの頃…

