ちがうよ…和也…
あたしは今日、今、あなたに伝えたい。


今日は特別だから…



あたしは首をよこにふった


「わかった。」


「最初は大好きだったピアノが嫌いになったの。音がズレてるのがあたしだけしかわかんなくて…それがつらかった…いくら弾いても直んなくて…ッ…」



涙が大量の顔を和也が袖で拭いてくれた。



「中二の秋にね、有名なピアニストが来るコンクールがあったの。あたしはもちろんってくらいに参加させられた。会場にはたくさんの人たちがいた…それで…」


言葉がつまった…


あのときの事が…