高校二年の秋、学校にある大きな紅葉の木から風に揺られて葉が落ちていた。 紅葉が好きで、音楽室から見える紅葉も好きで、よく音楽室をかりてピアノを弾いてた。 そこに彼がきたんだ。 嵐のように、紅葉の葉なんて一瞬にして散らせてしまうような嵐のように ―カシャッ カメラのシャッター音が聞こえピアノの演奏も止まった。 振り向いたらカメラを持ってあたしを見ている一人の男の子がいた。 和也だった