汐田、座れ。
そういったのは、釜谷だった。

は、はい。

あの、今朝はありがとな。

え、へー?

落とした子が、おまえにお礼がしたいっていうもんでね。

はー…

おい、はいれ。

はい。
あ、オレ、2年の森川門音です。
今朝はありがとうございました。

いえ、大丈夫です?

アハハ、ほんと、ありがとうございますっ

いーえー、ふふっ

おふたり、もういいだろ。

あ、はい。

じゃあ、またー。
そういって、あたしは生徒指導部室をあとにした。


ま、まさかっ、まさかあそこで虹色センパイが来るなんて…………反則だよ……




おーっ、亜実おかえりー

あ、ただいま。

だいじょーぶだった?

うん、なんでもなかったよw
あのさあ、柚那ー。
『恋』ってどんな気持ちになるの?

あれー、ついに亜実にも恋の気配ー?

そんなんじゃないからー。で?

うーん。切なくて苦しくて意味もなく泣きたくなったりとか?

うむ、むずかしーな。

ま、そのうち恋したらわかるって笑

はーい笑



わたし…………
『恋』はしてないよね?

してないよねっとか言いながら、なんだかこの思いが『恋』であってほしいとか思っちゃってるじぶん……