亨の来訪により大半の部員が辞め、新たなコーチとして翔太が入部した新体制で初めての練習。

「……っ、はぁはぁ」

翔太はずっとコートから目を背けていたが、快太の声に目線を写した時には部の様子を図らずも見ていた。

「ちょ、まて快太」

「へっへーんだ!こっちだよマッキー!!」

その中で翔太は新谷二中テニス部の弱点。

課題となる部分を早くも見いだしていた。

第一の課題は基礎体力。

「くっそ、お前のせいでオレの鬼の番終わらないじゃないか!」

その克服のために6人の部員は声を上げながら鬼ごっこをしていた。

ルール……

・ネットを外したコート内で行う。

・鬼は他の部員全員を捕まえるまで追いかけ続ける。

・鬼に捕まった部員はコート外周にまわり、全員が捕まるまで外周を続ける。

・全員捕まったら次の鬼にローテション。全員が鬼をしたら終了。




最初の鬼になったのはマッキーで、5人中4人をどうにか捕まえたのだが残る一人に苦戦していた。

テニスコート内を縦横無尽に走り回る。

「単調に追いかけ続けても快太は捕まえられないよ!

君がもし猿を捕まえようと思ったらどうする?」

「ガビーン、佐野くん今おれのこと猿と一緒にした!?」

翔太はたまに毒舌。