ドキドキしながら教室に向かった。
絢との会話は全く覚えてない。


名前順に席についた。
美香は窓際の一番後ろの席だった。
絢は教卓の真ん前だ。
美香は羨ましく思った。

チャイムが鳴った。
鳴り終わる前に扉が開いた。

「ほらみんな席に座ってー」

和馬が入ってきたのだ。

「えー自己紹介します。佐々木和馬と言います。教科は英語です。特技はサッカーの趣味は弾き語り。俺の自己紹介は終わり!じゃ次は荒木から〜」

みんなは一言づつ自己紹介をしていった。

次は最後、美香の番だ。

「じゃ次、吉田」

和馬の言葉に美香は睨んだ。

「吉井美香です。尊敬してる人は中河公園でギターを弾いていた人です。よろしくお願いします。」

中河公園とは美香と和馬の出会った場所。
多くのストリートミュージシャンが集まっては毎日演奏を繰り広げている。

自己紹介も終わり体育館へ向かった。
始業式だ。

体育館へ向かって歩いている途中に後ろから声をかけられた。