恐愛同級生


中3の春。

あたしと桜はクラス替えで初めて同じクラスになった。

学級委員で勉強ができて、不真面目なことが大っ嫌いだった桜。

ことあるごとにクラスメイトを注意してなじった結果、桜がクラスから孤立するのに時間はかからなかった。

『市川桜ってマジうざい』

『ガリ勉くそ女』

『もう少し見た目に気を使えよ~。何あの髪の毛。貞子かよ』

『市川桜の周りの空気ってなんでいつもあんなにどんよりしてんの~?超湿っぽいよね~』

『目がヤバいよ。目が。キレたらヤバそうな目~』

桜がクラスから孤立していたのは今に始まったことではないと他の友達が言っていた。

入学してからずっと桜には特定の友達がいなかったらしい。

だけど、桜はみんなから悪く言われても落ち込むことはなかった。

それどころか、その悪口を原動力にクラスでの活動にさらに熱を燃やし、みんなに煙たがられた。