「大丈夫だよ、莉乃。あたしがついてるから」 桜はそう言うと、いつの間にか小刻みに震えていたあたしの手をギュッと握ってくれた。 温かい桜の手のひらに包まれていると、心がほっとする。 桜がいてくれて本当によかった……。 「ねぇ、莉乃。覚えてる?2年前……、今とは逆に莉乃があたしの手を握ってくれたんだよね?」 「あたしが……?」 「うん。2年前、孤立してたあたしに莉乃は手を差し伸べてくれたでしょ?」 桜の言葉に、ふと2年前……中3の頃の出来事がよみがえった。