「それ、本当なの……?まさか好未がそんなこと……」
「莉乃は純粋すぎるんだよ。相手を信じすぎて、人を疑わなさすぎるの。好未ってばさっきだって、翔君の後追いかけて教室から出ていったでしょ?あたしが呼び止める声を無視して」
「それは……」
「正直に言うとさ、今回のストーカー事件って三浦君とは限らないと思う。みんな三浦君がストーカーだっていう前提で考えてるみたいだけど」
「え……?」
桜の言葉に耳を疑う。
「ラインと電話なら、女にだってできるでしょ?」
「だけど、この間うちに来たのは好未じゃないよ。お母さんがうちから出ていく背の高い男の子を見たって言ってたから」
「もしも、好未が知り合いの男に莉乃の家に行くように仕向けていたとしたらどう?莉乃のお母さん、その男の子の顔は見たの?」
「見てない……」
首を横に振ると、桜はハァと2度目のため息を吐いた。



