「ハァ……」 教室に残されたあたしと桜。 桜は盛大なため息の後、言いずらそうに切り出した。 「あのね、ずっと黙っていようと思ってたんだけど……」 桜の顔に影が落ちる。 きっといい話じゃない。 そう瞬時に悟った。 「好未、結構前から翔君のこと狙ってるよ」 苦しそうにそう告げた桜。 「好未が……翔のことを……?」 「うん。好未ってさ、前から翔君のこと聞きたがってたでしょ?」 「……うん……」 確かに好未は何故か翔のことを聞きたがった。