「……――警察……。警察呼ばなくちゃ……!!」
パニックになりそう叫ぶと、あたしはスマホの画面を乱暴にタップして電話を切った。
警察……110番……――。
頭では分かっているのに、指先が震えてうまく操作できない。
「もう嫌!!!お願いだからちゃんと動いて!」
半泣きになりながら必死にスマホをタップしたその時、ピーンポーンと玄関のチャイムが鳴り響いた。
「嘘でしょ……?まさか……そんな……」
チャイムは玄関扉のすぐ横に設置されている。
まさか……家の前にいるっていうの……?
唇が震えて歯がガチガチと音を立てる。
警察を呼ばなくちゃっていうのが聞こえたから見にきたの……?
それとも他に目的があるの?
「やだっ、どうしよう……どうしたらいいの!?」
身の危険がすぐそばまで迫っているこの状況に頭が働かない。
とりあえず落ち着かないと!大丈夫。玄関には鍵がかかっているし、侵入を防ぐことができるはず。
「鍵……?」



