ブーッブーッと震え続けるスマホを見つめていると、背筋が寒くなった。 叫びだしてしまいそうになるのをこらえて必死で深呼吸を繰り返す。 早く切って。 お願いだから、早く切って……――!! そんな願いもむなしく、スマホは不気味なバイブ音を刻み続ける。 部屋に響く雨音もさらに激しくなる。 「お願いだから……もうやめて!!」 ギュッとスマホを握りしめた時、その拍子に画面を指でタップしてしまった。 ハッとした時には、通話時間0:04と表示されていた。