恐愛同級生

「……雨……?」

いつ降り出したんだろう。

いつの間にか窓ガラスを大粒の雨が濡らしている。

あたしはしばらくの間リビングから動けずにいた。

まるで廃人になったかのように体が重く、何かをする気力が起こらない。

マロンはその間も心配そうにあたしの周りをグルグルと回り、そばから離れようとしない。

「マロン……ありがとう……」

マロンの頭を撫でた時、スカートの中に入れておいたスマホが震えているのに気が付いた。

翔……?

スマホを取り出して画面に目を向けたあたしは、ハッと息をのんだ。

そして、マロンをギュッと強く抱きしめた。


【非通知設定】

画面に表示されている文字に動揺する。

今日、メッセージを送ってきた相手に間違いない。