恐愛同級生


「大丈夫だよ、莉乃。翔君も好未も……それからあたしもいるし。あたしはいつだって絶対に莉乃の味方だから」

「桜……っ……ありがとう……」

桜の言葉に思わず目頭が熱くなる。

「莉乃とは長い付き合いだもん!それくらい当たりまえだよ」

「本当にありがとう」

正面に座る桜の手を取りお礼を言うと、桜はにっこりほほ笑んだ。

「おいおい、何か妬けるなぁ。莉乃の彼氏は俺だからな?」

割り込むように言う翔。

「はいはい、分かってますよ。だけど、女の友情は時に愛を超えるんだよ。ねっ、莉乃?」

「うん!!」

「ったく、莉乃まで……」

翔がいじけたように唇を尖らせる。

「翔君、そんなガッカリした顔すると、男前が台無しだよ~?」

好未の言葉で笑いが起こり、和やかなムードになる。