「莉乃、何でもっと早く俺に言わないんだよ」

「ごめんね……。翔に心配かけちゃうと思って……」

「そんなこと気にするなよ……。俺は莉乃の彼氏なんだから。これからは何でも隠さずに真っ先に俺に話して?」

「うん……」

「もう絶対に隠し事するなよ?」

「分かった」

小さく頷くと、翔の腕に力がこもる。

「怖かったよな……。でも、もう大丈夫だから。俺が莉乃を守るから……」

翔の言葉が温かく胸の中に広がっていく。

「ありがとう……翔……」

翔の背中に腕を回すと、不安な気持ちがいくらか和らいだ。