「ここじゃ話せない話だから」

ハッキリとそう言った三浦君。

すると、何を勘違いしたのか、好未があたしの脇腹を肘で突いた。

「ちょっとちょっと~、莉乃ってば三浦君と浮気?」

小声で楽しそうに囁く好未に「違うよ」と返す余裕すらなく、顔をひきつらせたまま三浦君に向き直る。

何とかして断らなくちゃ。

このまま二人っきりになってはいけない。

頭の中で危険を知らせる警報音が鳴り響く。

「もー、莉乃ってば何固まってんのよ~!!早くいきなって!!」

でも、そんなあたしの思いを知らない好未はポンっとあたしの背中を押した。