好未とは高2の春、初めて同じクラスになった。
『ねぇ、友達になろ~?莉乃って呼んでいい~?』
始業式の日、たまたま隣の席になった好未に声を掛けられてから急速に仲良くなった。
好未を一言で表すならば、『派手』だろう。
服装や髪型などの容姿だけじゃない。
言葉ではうまく表現できないけれど、口調もオーラも笑い声もすべてが目立つのだ。
好未と仲良くなってからは、あたしと桜と好未の3人で行動することが増えた。
『あたし、ああいう軽いノリの子好きじゃない』
桜は好未のことをあんまり良く思っていないみたい。
見た目も性格も、桜と好未はまるで正反対だった。
曲がったことが嫌いで真面目な桜と、いつもふざけてばかりいる派手な好未。
桜がトゲのある言葉を好未に浴びせて、二人が衝突を起こすことはよくある。
今日だってそうだ。
でも、あたしの心配をよそにいつの間にか仲直りしていたりする。
もしかしたら、『喧嘩するほど仲が良い』ということなのかもしれない。



