高二になると、五十嵐翔だけでなく白石好未までもがあたしと莉乃の間に割り込んでくるようになった。
したたかなあの女に莉乃が傷付けられるのは目に見えていた。
何度も莉乃にあの女の悪い部分を忠告しても、優しい莉乃は「好未はそんな子じゃないよ」と軽く流して真剣に受け止めてくれなかった。
うっぷんが溜り爆発しかけていた時、三浦玲央と莉乃が接触したことを知った。
その時、ようやくその時が来たのだと思った。
三浦玲央をストーカーに仕立て上げ、莉乃を混乱させる。
そして、そのストーカー事件をきっかけに五十嵐翔と白石好未を莉乃から引き離す。
そうすれば、再び莉乃はあたしだけのものになる。
莉乃をあたしだけのものにするためには手段を選んでなどいられなかった。