「死ねぇぇぇぇぇぇ……――!!!」

とうとう俺の前までやってきた五十嵐はナイフを両手に持ち直して振り上げた。

くそっ……。意識が遠退きかけた時、目に浮かんだのは鈴森の笑顔だった。


ごめんな。

俺、お前に何もしてやれなかったな……。

五十嵐の振り上げたナイフがスローモーションのように自分めがけて降ってくる。

あぁ、ここまでか。

島田の兄貴……ごめんな。

敵討ちするどころか……逆にやられちまうなんてな……。

腹部の痛みが限界に達し、俺は目を閉じた。