「莉乃はね、あたしのすべてなの。中学時代、孤独だったあたしを救ってくれた唯一の存在。だから、今度はあたしが莉乃に恩返しする番。あたし、莉乃のためタメだったら何だってするわ」

「お前がしてきたことは鈴森の為になんてならない!!」

「別にあなたに理解してもらおうなんて思ってないわ」

「鈴森は今どこにいる!?」

「莉乃は保健室よ。疲れているんでしょうね……。ぐっすり眠ってるわ」

市川は保健室を出たに違いない。

電話口の声がさっきよりも響いているような気がする。

「三浦君、今屋上にいるんでしょ……?こんな電話をかけてこられたっていうことは、無事だったってこと?」