「五十嵐!!やめろ!!また同じ過ちを繰り返すのか!?」
「はははっ、同じ過ちって何を言ってるんだ?」
一歩一歩と翔は距離を詰める。
「お前の元カノ島田美佐だろ?俺、そいつの兄貴を知ってるんだ。だから、お前のことも全部知ってる。お前が彼女にしたことも全部」
「美佐?そんな名前だったかな……?もう過去のことだし、忘れたよ」
「お前のあまりにもひどい束縛とストーカー行為に耐えかねて彼女は校舎から飛び降りた。何の罪もない彼女をお前は自分のエゴの為に追い詰めたんだろ!?」
「違う。俺は追い詰めてなんていない!!」
「いや、追い詰めたんだ!!お前の狂気じみた独占欲が彼女を追い詰めた。中学を卒業して遠い高校に入学したお前は、今度は鈴森に目をつけた。周りが何も知らないのをいいことに!!」
「違う違う違う違う!!!!わかったようなことをいうなぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!!」
鼻に縦ジワを入れ、顔中に恐ろしいほどの怒りを浮かべた翔がナイフを振り上げた。



