「莉乃は俺だけのものだ。莉乃は俺だけのものだ。莉乃は俺だけのものだ!!!」
「……――何なんだ、アイツ。アイツの目、正気じゃない」
三浦君の声に焦りが滲む。
ジリジリと翔から逃れるように後ずさりしていると、背中がフェンスにぶつかった。
「三浦君……もう……逃げられない……」
「クソッ」
「もうダメ……もうダメだよ……!殺される……。殺されちゃうんだよ……いや……嫌……!!こっちへ来ないで!!」
あまりの恐怖に頭がしびれてきた。
涙が溢れてそれはあごまで到達する。
これはきっと夢だ。悪い夢。今まで悪夢のような出来事すべては夢。
そう。目が覚めればきっと元の日常に戻れているはずだ。



