「……――逃げて!」
「逃げて?何から?おい、鈴森!!しっかりしろ!!」
「翔が……来る……。好未が……階段から……血が……頭から……血が……」
あたしの肩を支えながら必死にあたしを励まそうとしてくれる三浦君。
「ごめんね……。ストーカーだって……疑って……ごめんね……」
「全部、知ったのか……?五十嵐翔が中学時代、彼女をストーカーして追い詰めたことを」
「うん……。三浦君は最初から知ってたんだね。だから……あたしをことあるごとに心配してくれた……」
三浦君は最初から全部知っていたんだ。
三浦君は友達が多いし、顔も広い。
「あぁ。俺は五十嵐の元カノの兄貴をよく知ってたから。昔はあんなじゃなかったのに、あの事件以来変わっちまった。家族もバラバラになって……――」
三浦君がそう言った瞬間、屋上の扉がぎぎぎーっと嫌な音を立てて開いた。



