好未は島田君のことを覚えていないの……? いじめた方は覚えていなくても、いじめられた方は忘れられないもの。 言った方は忘れてしまっても、言われた方はずっと覚えている。 あたしはチラッとトイレの入り口に目をやった。 あたしは今、トイレの一番奥の壁に追いやられている。 左手にはトイレの個室。右手には手洗い場。 入り口は好未の背中の後ろ。 「……――ねぇ、好未?」 「は?何よ」 あたしがそっと問いかけると、好未はめんどくさそうに答えた。