「嘘なんかじゃない。アンタのことをストーカーしてたのはアンタの彼氏の翔君だよ」
「嘘……」
「ねっ?あたしに裏切られただけじゃなくて、彼氏からも裏切られてたでしょ~?」
うつむくあたしに一歩一歩近づいてくる好未。
「三浦君をストーカーにでっちあげて『莉乃のことは俺が守る』とか言っちゃってさ~。自作自演もいいところだよね」
ジリジリと迫ってくる好未から逃れるように一歩一歩後ずさりするとトイレの壁に背中がぶつかった。
「人間ってさ~裏切るもんなの。信じるだけ無駄無駄~!」
鼻歌交じりに言うと、好未は手のひらをそっとあたしの首筋に押し付けた。



