「ねぇ、莉乃~。あたしさぁ、アンタが嫌い」

「え……?」

「だってさ~なんでも持ってるでしょ?桜っていう友達とか翔君っていう彼氏とか。そんな彼氏がいるのに、三浦君にまで好かれて告白されてさぁ」

「それは……」

「別に弁解なんていらないし?本当のことだもん」

好未の口調は普段どおりなのに、その言葉の端々にあたしに対する憎しみが表れている気がする。

「だけどさぁ、人間って案外分かんないもんだよ~?裏切ったり裏切られたり。ずーっとそういうのの繰り返しだから」

「どういう意味?」

「確かにさ、あたしはアンタの彼氏を寝取ろうとしてアンタを裏切ったよ。でもね、アンタを裏切ったのはあたしだけじゃない」

好未はニヤッと意味深な笑みを浮かべた。