「……――は、履けた!!」 何とか上履きをはき、笑顔を浮かべるあたしの横で先生が恐いものでも見たかのようにじっとあたしを見つめる。 「ねぇ、鈴森さん……」 「はい?」 「あなた、大丈夫……?顔色も悪いし……。もし何か悩みがあるなら先生に……」 「いえ、大丈夫です」 今すべきことは、先生に悩みを聞いてもらうことじゃない。 一刻も早くこの保健室から出ることだ。 「だけど……、あなた……」 保健の先生はまだ何か言いたそうにしていたけれど、あたしはそれを聞き流して保健室を後にした。