「市川と友達を辞めるって言うまで、離さない」 ギュッとさらに力を込めてあたしの体を抱きしめる翔。 「……――っ」 息苦しさに声を漏らす。 「莉乃は優しいな……。でも、いいんだよ。そんなに無理しなくて」 「無理なんて……してな……」 「早く言いなよ。あいつと友達やめるって」 「言わない……。絶対に、言わないよ……」 苦しさに顔を歪めた時、パッと翔があたしの体を離した。