「市川にそう言えって言われたのか!?そうなんだろ!?」
「ち、違うよ……!桜はそんなこと言わないよ」
「だったら、だったらどうして俺を選ばない!?俺はこんなにも莉乃を愛しているのに!!それなのにどうして!?」
「翔……お願いだから落ち着いて……!!」
「うるさい!!!お前は俺の女だ!!!誰にも渡さない!!!」
翔はそう叫ぶと、あたしの体をギュッと強引に抱きしめた。
耳元で聞こえる翔の声。
「絶対に渡さない。莉乃は俺だけのものだ。ずっと永遠に俺だけのもの」
吐息が耳にぶつかってゾッと寒気がする。
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