恐愛同級生


「桜とは中3からの付き合いだって話したよね?桜はああ見えて繊細な子なの。さっきだってうつむいて泣いてたよ?どうして桜を悲しませるようなことを言うの?人の外見でしか物事を図れないの?」

「違う。全部、市川が悪いんだよ」

「桜が悪い?どうして……?」

「昨日、ずっと市川と一緒にいたんだろう?」

「そう……だよ」

昨日は桜が家に来てくれて、その後ファミレスに行って話を聞いてもらった。

好未のことをよく知る島田君にも会わせてくれた。

それがなんだっていうの……?

「莉乃が学校を休んでいる間、俺、何回も連絡したよね……?どうして返事をくれなかったの?」

「あたし……具合が悪くて……」

「どうして具合が悪いのに市川と一緒にいたの?どうして市川といるときは俺の電話に出ないの?どうして市川を優先するの?市川より俺の方が大事だろ?違うの?ねぇ答えてよ、莉乃」

矢継ぎ早に質問を飛ばす翔。


「電話に気付くのが遅くなったのは申し訳ないと思うよ。だけど、折り返しの電話を……――」

「その電話をもらった時には新しいスマホに変えて番号まで変わってただろ?」

興奮してきたのか翔の声に力がこもる。