「莉乃、さっきは痛かった?ごめんね」 連れてこられたのは屋上だった。 翔は制服のジャケットを脱ぎそれを地面に置くとその上にあたしを座らせる。 「俺はいつだって莉乃の為を思ってるんだよ」 隣に腰かけて柔らかい笑顔を浮かべながらあたしの頭を撫でる翔。 あたしはとっさにその手を避けた。 翔はそんなあたしの行動に目を見開く。 「莉……乃……?」 「どうして……」 「なに?」 「どうして桜のことを怒鳴ったの?あんなにひどいことを言ったの?」 教室での出来事を尋ねると、翔の顔から笑顔が消えた。