「莉乃の手を離せ!!お前がストーカーだってことは分かってるんだ!!」
「俺じゃないって言っただろ」
「お前以外にそんなことやりそうな奴はいない!!」
「いる。それはお前が一番よく知ってるだろ?」
冷ややかにそう言い放つ三浦君に翔の目が鬼のように吊るし上がる。
「莉乃は俺のものだ。他の奴には死んでも渡さない!!!」
翔はあたしの手を痛いぐらいに引っ張る。
「いっ……痛い……。翔……痛いよ……」
激しく引っ張られ続けて手首が抜けそうになり顔を歪めると、三浦君がスッとあたしの腕を離した。
「ようやく諦めたな。俺の勝ちだ」
翔はそう言うと、そのままあたしを引っ張り歩き出す。
振り返るとそこには、悔しそうな表情を浮かべて拳を握りしめた三浦君が立っていた。



