「ごめん。そんなこと聞かれても分からないよね」 「そんなことないよ」 申し訳ない表情を浮かべる桜にあたしは首を横に振る。 すると桜がこんな提案をしてきた。 「そうだ。あたしね、莉乃に会わせたい人がいるの」 「会わせたい人?」 「そう。話を聞く価値はあると思う」 不思議に思いながらもあたしは店を出て桜の後を追いかけた。