桜は部屋に置いてあったタオルをウェブカメラに掛けると唇に人差し指を当てた。 何かを訴えかける様な目を向ける桜。 そして、持っていたバッグをあさりメモ帳を取り出すとおもむろにペンを走らせた。 【この部屋が盗撮されているとしたら、盗聴されている可能性も高いよ。とりあえず、場所を移そう】 あたしは桜に従って大きく頷いた。 桜のいうことを聞いておいて間違いはない。 何も知らないマロンは、あたし達の足元で嬉しそうに尻尾を振っていた。