何も言えずに黙ってうつむくことしかできないあたしの頭を翔は優しく撫でた。

「いいんだよ、莉乃。俺はちゃんと分かってるから」

耳元でそっと囁かれて視線を動かすと、翔はそっとあたしの唇にキスをした。

目を閉じることも瞬きをすることもできずに、翔のキスを受け入れるあたし。

まるで体が固まってしまったかのようにその場から一歩も動けない。

「莉乃、しよう……。莉乃、愛してるよ……。俺が愛してあげるから」

ベッドに押し倒され、翔の舌があたしの首筋を這う。

受け入れることも抵抗することもせず、ただ黙って翔に体をゆだねる。

自分が自分ではなくなっていくような感覚。

「莉乃……愛してる……。絶対に離さない……」

目を閉じると翔の『愛してる』という言葉が何度も何度も頭の中で繰り返された。