口を押えつけられて三浦君と向かい合う格好のあたし。
三浦君は一体、あたしに何を話そうとしているの……?
≪キーンコーンカーンコーン♪≫
授業の始まりを告げるチャイムが辺りに響き渡る。
もう誰も助けに来てはくれない。
あたしがゴクリと唾を飲み込むと同時に三浦君が口を開いた。
「いいか?ストーカーは俺じゃない」
真っ直ぐあたしの目を見てハッキリとした口調で言う三浦君。
「確かに俺はお前のことが好きだ。でも、ストーカーなんて卑怯な真似はしない」
絞り出すように言うと三浦君はあたしの口からそっと手を離した。



