恐愛同級生



「……っ」

三浦君はクシャクシャと髪をいじると、鋭い視線をあたしに向ける。

「頼むから早く泣き止め。お前が落ち着いてからじゃないと話もろくにできない」

「うっ……誰か……誰か助け……――!!」

叫び声をあげて助けを呼ぼうとすると、三浦君はあたしの口を大きな手のひらで塞ぐ。

「いいから黙って俺の言うことを聞け!!いいか?」

服従しているかのように大きく頷きながらも、制服のポケットに手を入れてスマホを探す。

だけど、いくらまさぐってもスマホが見つからない。

どうして……。どうしてないの!

心の中で大声で叫ぶ。

その時、ようやく気付いた。

翔と好未の後を慌てて追いかけてきた為に机の上にスマホを置き忘れたことを。

いつもは肌身離さず持ち歩いているのに、こんな時に限って……。

もう、三浦君に従うしかすべはない……。