「ここに座れ。叫んだり逃げたりすんなよ?いいか?俺の言うことを最後まで聞いてくれ」
「……うぅ……っ……」
普段使われていない教材室は薄暗く、部屋中が埃っぽく湿っぽい。
三浦君は教材室の隅にあたしを座らせると、その前に腰を下ろした。
「どうして……どうしてこんなことをするの……?」
涙がボロボロとこぼれて視界がぼんやりとにじむ。
「あたし、三浦君に何かしたかな……?どうして……どうしてこんな……」
「泣くな。俺だってお前を泣かしたくなんてない」
三浦君があたしの目の下の涙を拭う。
「……――やめて」
あたしは反射的に三浦君の手を払いのけた。



