「ん~、熱はないかな?保健室でも行く?あたしついていくよ~」
好未は翔のおでこに手を当てて心配そうに顔を覗き込む。
あたしは出しかけた手をスッと引っ込めた。
「……――ちょっと、好未!!」
桜が声を上げたと同時に、翔が桜の手から逃れるようにスッと立ち上がった。
「ごめん、ちょっと保健室に行ってくる」
「翔……顔色が悪いけど、大丈夫……?」
そう問いかけると、翔はわずかな笑みを浮かべてあたしの頭をポンポンッと叩いた。
「心配しなくても大丈夫。俺が何とかする。絶対に莉乃を守るから」
「翔……。あたしも保健室に……――」
「翔君、行こう!!莉乃は三浦君と会うとまずいでしょ?あたしが翔君を保健室まで連れて行くから!!じゃあね~」
好未はまくしたてるようにそう言うと、翔の腕に自分の腕をからませて教室から出て行った。



