ピピピピ

目覚まし時計の音がする。

だが、その音が、

ピピ・・・

急に止まった。

何だと思って、身体を動かそうとしたら――動かない。

恐る恐る、目を開けると・・・

「―おはよ、しーずく」

気づいたら、

ドカッ!

蹴飛ばしていた。

「いてぇ!酷くないか雫!?せっかく起こしに来たのに!!」

「起こしに来たんじゃなくて、朝ご飯を食べに来たんでしょ?いい加減、自分で作りなさいよ」

「男は料理なんてしないの!」

「そんな男はモテないよ」

「現実を見ろ!現実!俺はモテてるの!」

うるさいやつを無視して、階段を下りる。

そしたらやつも付いてきた。

「雫、従兄弟に対してひどくない?態度を変えようぜ?」

「変える気はさらさらない」

「冷たい・・・」

こいつは、私の従兄弟にして隣に住んでいる男、月野荘介。

毎日のように人の家に来て、ご飯を食べて帰る。

はっきり言って迷惑だ。

ため息をついても仕方がないのだが、つかずにはいられない。