「『昨日の事?』だけじゃわかんないから。もっと具体的に話しなよ。あんた、柴崎くんを誘惑したの?」
「誘惑?そんな事はしてないよ。」
それは俺から行った事だ。そんな、誘惑なんてされてない。
俺はそう思いながら聞いていた。
今度こそ、杏子を助けないと。また木下に何かされてしまう。
もう杏子の悲しい顔や不安な顔を見たくなかったし、させたくなかった。
そこにまた、おととい同様に日本史の先生がたまたま俺を見つけ、資料運びを頼もうと手招きしてきた。
また手伝いなんかしたら、杏子を助けられない。
俺は申し訳ないと思いつつ、首を横に振った後、角から杏子達の方へ出た。


