横から見ていた俺はわかっていた。
木下は取り巻きにパスしようとして誤ってボールを有村に当てたわけじゃない。
有村に向けて強く投げ付けていたたという事を。
座り込んだ有村の元に木下が「ごめんなさい」と棒読みな謝罪を入れてきた。
俺は木下に対する怒りを抑えつつ、試合を投げ出した。
「ちょっと、柴崎!どこ行くんだよ」
「ごめん」
俺はそのまま女子のコートの、有村の方へ向かおうとしたが、他の男子が俺を止めようとする。
その間、有村は木下に抱かれた後、1人で壁ぎわへ座り、木下は平然と試合に戻っていった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…