【企画短編】俺は有村杏子が大好きだ。


俺は歩行を止め、黙り込んだ。

ものっすごく、クラクラする。

俺はまともに立てないと思い、有村の首に回していた腕を元に戻した。


バン!


二人しかいない、静かな廊下に音が響く。

倒れそうになった俺は、壁に手を付き、貧血のピークに対応しようとした。

目の前が一瞬暗くなる。

そして徐々にそれが止んだ後、目の前には有村がいた。


「柴崎くん?」

「ごめん。クラクラしちゃって。」


俺は有村に覆いかぶさるように壁に手を付いた。

いわゆる、壁ドンの状態だった。